微笑みの代償を |
僕はある星の王太子です。 縁あって主星に留学中に女王試験の教官を頼まれて、現在聖地で「品位」を教えています。 ここには宇宙を統べる女王陛下を始めとした9人の守護聖さま方と、僕を含めて3人の教官と、 僕も将来人の上に立つ者として色々と学べることがあって、毎日が充実しています。 …そう思って毎日僕なりに頑張っているんですけど、他のみなさんから見ると「子供らしくない」そうなんです。 せめて眩しいくらいに輝いているあなたと一緒に歩いていけるくらい・・・。 *** 「ティムカ様?」 アンジェリークは陽に透ける栗色を髪を揺らして少年の顔を覗き込んだ。 「あっ、あのすみません、アンジェリーク! ちょっとボーッとしてしまって・・・あの、何ですか?」 今日は日の曜日で、今はアンジェリークと一緒にカフェテラスでお茶を飲んでいたことをフラッシュのように次々と 「どこか具合でも悪いんですか?って言ったんです。なんだか今日のティムカ様少し疲れてらっしゃるみたいだから」 心配そうに瞳を曇らせる少女の言葉を聞いて、ティムカは何とも言えない微笑をした。 「・・・すみません、アンジェリーク。あなたにご心配をかけるだなんて、僕はなんて未熟なんだろう。でも大丈夫です。 少年は笑ってごまかすつもりだったのに、少女はそれを許さなかった。 「でも、気になるんでしょう?」 ティムカは、思わず苦笑してしまった。 「ええ。気になっちゃうんです。…その、アンジェリーク、僕はそんなに――――子供らしくないですか?」 アンジェリークはこの質問に、少し戸惑った後「大人っぽいと思います」と答えた。 憧れる女性に自分はどのように映るのか、気にならないだなんて嘘だ。 「この間、庭園で商人さんにお会いしたんです。その時に『もっと子供らしゅうしたって罰当たらんとちゃいますか』って言われてしまって…。 ティムカがとても真剣な顔をして聞くので、アンジェリークは少し考えた後、立ち上がった。 「なら、これから子供っぽく一日を過ごしてましょう! ティムカ様!」 そのまま事情を飲み込んでいない顔のティムカを引っ張って、彼女は商人を探し始めた。
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