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「もちろん、マルセル様も好きですよ」 アンジェリークはためらわずに言ってくれたから、僕は嬉しかった。 「僕もアンジェが大好きだよ!!」 だから僕も迷わずにその時は返したんだけど、あれからなんだか僕の心はモヤモヤしてる。 だけど、どうしてかな? おいしい料理やお菓子より僕が好き? 僕は一体何番目なの? どうしても気になっちゃうんだ。 分かってるけど、気が付いたらそんなことを考えてて、ふいに哀しくなっちゃうんだ。 だから聞きたくても怖くて聞けない。 「…ねぇアンジェ。今 気に入ってるものは何?」 僕はこれを聞くのが精一杯。 だけど、彼女は目をキラキラさせてこう言った。 「今は女王試験が一番楽しくて好きです!」 …これじゃ僕はどうしようもないじゃないか! 「楽しいの?」 「楽しいですよ。毎日が新しくて、みなさんとこうしてお会いできてお話もできますし、自分が成長してるのも分かりますし。変化が目に見えて分かるから、それを見るのが楽しいです」 昔、誰だったか忘れてしまったけれど、「強い人間は変化を恐れない」と聞いたことがある。 ――その変化を「成長」と言いきるアンジェリークは確かに強いや。 「アンジェリークは、やっぱりすごい女王候補なんだね! 僕いっぱいアンジェのこと応援するから頑張ってね!」 僕は少し自分が恥ずかしかった。 僕はアンジェが一番好き。 チュピや他の守護聖方もみんな好きだけど、アンジェリークはまた別。 そういう変化を僕はしてみたい。 「僕も頑張るよ!」 僕たちはいつの間にか約束の木の下に来ていた。 「はい、一緒に頑張りましょう」 にっこりと笑ったアンジェリークの髪に、木漏れ日がキラキラしてとってもキレイだった。 女王試験はまだ続くから、これからもいっぱい好きなものを増やしていこう。 ***END*** |
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